THE HISTORY OF INDUSTRIAL PRODUCTS BUSINESS
工業機材事業の歴史
食器製造の技術を応用し
研削砥石のリーディング
カンパニーへ
ノリタケは、研削砥石やダイヤモンド・CBN工具、研磨布紙などを製造する国内最大の研削・研磨工具の総合メーカーです。加工の精度や効率など、その性能は世界でもトップクラスを誇り、自動車、鉄鋼、ベアリングといった日本の基幹産業を陰で支えています。現在は、LED用サファイアなどの加工に使われるダイヤモンドエ具など、成長分野に向けた製品の開発に注力しています。また消費地生産を目指して、海外生産拠点の整備を進めているほか、使用済みビトリファイド砥石のリサイクルシステムを確立し、環境負荷低減への取り組みも積極的に行っています。
食器から切削砥石へ。
戦時下での歴史的な業種転換
明治37年(1904)当時、日本における研削砥石製造はまだ産業として確立されておらず、ほとんどを輸入に頼っていました。当社でも陶磁器の底摺りのための砥石を社内でつくる程度。しかし研削砥石や研磨工具は、①陶磁器と同じ原料を使う「ビトリファイド砥石(ビト砥石)」が主流であること、②これまでに培ってきた食器製造の「削る」「磨く」技術を応用できることなどから、創立当時から取り組んでいた高圧碍子の国産化にも大いに活かせると考え、他に先駆けて工業用研削技術の開発に着手しました。
戦時中には、本業の食器生産が困難となり、軍需産業に必要な研削砥石の生産へと事業転換を図ります。戦前の日本の切削技術は世界レベルにはほど遠いものでしたが、軍需工業では、国際水準以上の技術が求められたため、軍用機の生産に必要な高硬度の研削技術や特殊砥石の開発、各地での生産体制が急ピッチで進められました。終戦後は、平和産業である食器生産を最優先とし、生産を一時中止しましたが、この高い技術力を日本の産業の復興に役立てるため、切削砥石の生産を再開しました。
難削加工物にも対応できる
超砥粒化時代への華々しい幕開け
昭和30年代半ばには、製鉄・鉄鋼技術の進歩によって、研削作業も高能率化が求められるようになりました。様々な厳しい研削条件に対応できたのがレジノイド(樹脂質)砥石です。また、特殊鋼やニューセラミックスといった難削加工物向けのダイヤモンド工具が注目されると、当社では、ダイヤモンドでは研削できない金属の切削に適した超砥粒のCBNに着目し、レジノイド結合剤によるCBNホイールを開発。ついで、昭和47年には、世界初のビトリファイドCBNホイールに成功しました。これは、ダイヤモンドに近い硬さを持つCBN砥材に、ビトリファイドボンドを樹脂で補強したハイブリッド型砥石です。通常のCBN砥石より100倍の性能を誇るビトCBNホイールは、世界中の技術者の期待を一身に集め、「ビト砥石といえばノリタケ」の名をほしいままにしました。
世界トップレベルの規模と
技術力で拡げる切削研磨の世界
当社のビトCBNホイールの登場によって、砥石の世界は超砥粒化時代へ突入。市場の様々な要望に応えながら、新しいタイプの超砥粒ホイールの研究に着手し、超多孔質の「GPホイール」が誕生しました。
このGPホイールとビトCBNホイールを基軸とした世界トップレベルの規模と技術力は、高精密かつ高能率な加工性が要求される自動車産業や工作機械、IT関連産業などの技術革新を支え、ビトリファイドポーラスセラミック砥石「CZ砥石」や内面研削用ビトリファイドCBNホイール「I-Queen(アイ クイーン)」、超硬の高能率研削を可能とした円筒研削用レジンホイール「BWCシリーズ」、高性能メタルホーニング砥石「MHBシリーズ」など、高能率化を追求した多様なシリーズ展開で、今も進化し続けています。
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