TCFD提言に基づく情報開示
サステナビリティに関する取り組み
- ノリタケのサステナビリティ
- 地球を元気に
- 社会を便利に
- 人と社会を幸福に
- 基盤を強固に
- マネジメント体制
ノリタケは2022年8月、金融安定理事会(FSB)が設けた「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。
当社は創立当初より、”事業を通じて社会に貢献する”ことを基本理念として事業運営を続けています。社会にとって大きな課題である地球環境の保全は、当社としても最も重要な経営課題の一つと位置づけており、TCFD提言に則ってリスク・機会の特定と対応策を検討し、経営に反映しています。
TCFDについて
TCFDは「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略で、G20からの要請を受けた金融安定理事会(FSB)によって2015年12月に設立されたタスクフォースです。2017年6月、気候変動に関連するリスクや機会についての情報開示を推奨する報告書を公表し、世界中の企業や機関がTCFD提言に賛同しています。
対象範囲
事業はグループ会社を含む全主要事業を、地域は売上比率の高い日本を中心に海外含む主要エリアを対象としています。
リスク・機会評価における基準年は、低炭素社会への移行に向けた社会の変化により当社事業への影響が出現する2030年として設定しています。
参考シナリオ
移行リスクにおいてはIEA World Energy Outlook 2021*1を、物理的リスクにおいてはIPCC(気候変動政府間パネル)におけるSSPシナリオ*2を中心に参考としています。
*1 1.5℃シナリオではNZE(Net Zero Emission by 2050)、2℃シナリオではAPS(Announced Pledges Scenario)およびSDS(Sustainable Development Scenario)、4℃シナリオではSTEPS(Stated Policies Scenario)参考
*2 1.5℃シナリオではSSP1-1.9、2℃シナリオではSSP1-2.6、4℃シナリオではSSP5-8.5参考
ガバナンス
社長を委員長とする「サステナビリティ統括委員会」のもと、「環境委員会」において気候変動に関するノリタケグループの取り組みを主導し、環境保護推進活動の統一的な指針の策定および活動の推進、進捗の管理と、必要に応じた是正措置を行っています。
戦略
2030年において、2℃または1.5℃シナリオでは政策移行の影響が大きい社会像が、対して4℃シナリオでは気象などの物理的影響が大きくなる社会像が想定されます。その中で、ノリタケグループとしては、2℃または1.5℃シナリオの途上に起こる「低炭素社会への移行に関連したリスク」と、世界の気候変動対策未達により4℃シナリオに至った場合に発生する「気候変動に伴う物理的影響に関連したリスク」の2つのシナリオに基づき、リスク・機会を検討しました。
*1 2100年時点で1.5℃~4℃の温度上昇を見込むシナリオでの、2030年時点での社会像
*2 ゼロエミッション・ビークル(Zero Emission Vehicle)の略
*3 積層セラミックコンデンサ(Multi Layered Ceramic Capacitor)の略
当社グループにおけるリスクを9つ抽出し、2030年における影響の大きさを以下のように評価しています。
対して、機会としての2030年における影響の大きさを以下のように評価しています。
当社グループでは、リスクを機会に変えるための対応策をとり、経営のレジリエンスを高めてまいります。
※ CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略で、二酸化炭素回収・有効利用・貯蔵を意味する
リスク管理
気候変動に係るリスクについては、2022年に発足したタスクフォースにおいて分析・評価し、取締役会へ報告しました。
今後は2024年に新設した「リスクマネジメント委員会」にて、気候変動を含めた当社グループを取り巻くリスク全般について、分析・評価と重要リスクの特定を行い、それらの回避・低減の取り組みを管理します。
指標及び目標
ノリタケグループは、低炭素社会への移行・2050年のCO2排出量ネットゼロに向け、自社におけるCO2排出量(Scope1・2)の目標を2024年度に7.3万t(2018年度比25%削減)、2030年度に4.9万t(同50%削減)と設定しています。自社以外のサプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)については算出方法を見直し、目標設定とその達成手段の検討を進めていきます。