HUMAN RESOURCE STRATEGY

人財戦略

基本的な考え方

ノリタケグループの長期ビジョンの実現に向け、ノリタケでは新たな人財戦略を策定しました。これは、事業戦略の実行に求められる人材像を再定義し、目指すべき人材ポートフォリオを定めたもので、これを指標として採用・人材育成などにおける具体的な課題設定と施策の立案・実行を進めています。同時に従業員エンゲージメント向上への取り組みを強化し、働く人の両輪となる「仕事の能力」と「こころ」をともに育むことによって、会社の持つ「人の力」すなわち「人的資本」の強化・充実を図ることができると考えています。

MESSAGE

多彩な会社を目指し、多様な価値観を持つ人材が
活躍できる仕組みづくりを推進します。

多彩な会社を目指し、多様な価値観を持つ人材が活躍できる仕組みづくりを推進します。
取締役 専務執行役員 人事部担当
岡部 信

ノリタケでは2030年に向けた長期ビジョンの達成に向け、新たな人財戦略を策定しました。この人財戦略は、事業の継続性と変化への対応力の両立を念頭に置き、ノリタケの人材アイデンティティを再定義し、設定した人材ポートフォリオと現状との対比から作り上げたものです。
当社の人材ポートフォリオは、マーケットニーズをシーズに最適化していく人材、社会ニーズに対してシーズを発見して創出する人材、そしてそれらの成果を最大化するためマネジメントする人材、これら3つのカテゴリーから構成されています。この人材ポートフォリオを基にタレントマネジメントを実践していくとともに、人材投資の積極化、社内環境整備などを推し進め、人的資本の基盤強化を推進していきます。
当社の人事制度についても、経営ビジョンに沿った人財戦略を進めていくため、骨格そのものから改めていくべきであると判断しました。2024年4月から導入した新人事制度は、3本柱で組み立てられています。
1つ目は「組織風土の改革」です。当社の旧人事制度は長年の運用により、年功色が強くなっていました。これまで以上に社員のチャレンジ精神を喚起する強いメッセージが必要だと考え、難度の高い課題にも果敢に挑む姿勢そのものを評価する仕組みを整え、会社として失敗を許容する風土の醸成に繋げたいと考えています。
2つ目が「貢献(役割・業績)に報いる仕組みの整備」で、これは主に評価・報酬の部分を意味しています。年功要素を弱め、そのときどきの社員の働き(果たした役割と成果)をしっかりと処遇に反映させ、貢献と処遇が一致する仕組みとしました。
そして、3つ目は「多様な人材の活躍推進」です。女性活躍の推進だけではなく、もっと広く多様な人材がそれぞれの強みを伸ばし、活用することが、社会や市場の変化に対応する上でより必要になります。新制度では社員が個々人の強みを武器にしたキャリアパスを描けるよう等級・評価制度を設計しています。
これらの取り組みを確実に進め、多様性を受け入れる・育む・活かしていく風土を醸成し、様々なバックグラウンドを持つ人材を登用することで、幅広い可能性を生み出す、多彩な会社にしていきたいと考えています。そして、人的資本の強化を図っていくことで、長期ビジョンの実現、引いてはノリタケグループのさらなる成長を目指してまいります。

ノリタケにおける人材のアイデンティティ

ノリタケは洋食器製造で培ったセラミックス技術を様々に応用・発展させ、時代とともに変化する社会環境とニーズの多様化に対応し、常に新たな価値を生み出してきました。
受け継がれ・深耕してきたマテリアル×プロセスの独自技術を社会へ提供する価値の源泉(シーズ=種)として、「マーケットのニーズにシーズを最適化して提供する力」、さらには「社会のニーズに対して新たなシーズを独自技術の中から発見・創出する力」が当社の人材のアイデンティティであると考えています。

ノリタケにおける人材のアイデンティティ

事業戦略と連動した人財戦略

人財戦略の策定にあたり、最初に事業戦略の遂行に必要となる人材を複数のタイプに分類し、目指す人材ポートフォリオを設定しました。

事業戦略と連動した人財戦略

そして、現状の人材ポートフォリオとの対比(“As is”–“To be”ギャップ分析)から、以下の人財戦略を掲げました。

人財戦略

①目指す人材ポートフォリオ充足に向けた人材投資の強化
②多様な人材を確保し育むタレントマネジメントの実践
③多様な人材の役割・成果に基づく人事制度の改定
④従業員エンゲージメントを高め、人的資本への投資効果を最大化する社内環境整備

戦略の進捗を測るため主に以下3つの指標をモニタリングしていきます。

1.越境経験人材数
ノリタケにおいて成果や利益をマネジメントする能力の育成には、キャリアにおいて複数分野の職務を経験することが重要と考えています。そのため、こうした分野横断型の人事異動経験を「越境経験」と名付け、その経験を持つ人材の数をモニタリングします。特に部門長クラスおよびその候補人材にとって望ましいキャリアパスとして意図的に越境経験を積ませる人事運用も進めます。
2.人材タイプの充足度
人材ポートフォリオにおいて定義した各人材タイプが各事業においてどの程度充足しているかを継続的にモニタリングし、採用や人材育成の指針とします。
3.エンゲージメントスコア
様々な人的資本投資の効果を最大化するため、エンゲージメントスコアをモニタリングし、組織課題への対策に活用していきます。

人材投資の強化

人財戦略において描き出した「目指すべき人材ポートフォリオ」の充足に向けて、現有人材の育成・強化に加え、新たな人材の確保にもこれまで以上に注力します。自社にない知見や専門スキルを取り込むため、有機・バイオ、電子・半導体などの戦略分野やDX、マーケティング、財務・法務等の専門分野においては、採用だけでなく、外部機関・外部人材の活用も含め、組織機能の強化に取り組んでいきます。
同時に人事制度改革・運用、タレントマネジメントシステム運用等への投資もより積極化し、人的資本の基盤強化を推進します。

人事制度の改定

ノリタケは2024年4月に人事制度を改定しました。
「多様性」「成長」「挑戦」「リーダーシップ」「新たな価値創造」をキーワードに、社員に期待される働き方をあらためて明示するとともに、等級を再定義し、人事評価項目・基準も刷新しています。

タレントマネジメントの実践

キャリアパスモデルの設計・浸透

求められる人材タイプをゴールとしながら、個々の社員がモチベーション高く自律的にキャリア形成できるよう、モデルとなるキャリアパスを提示し、キャリア教育や上司面談を通じてキャリアデザインを支援します。

ローテーションの活性化

ノリタケでは2023年度より社内ローテーション制度を本格導入しており、前述のキャリアパスを実現するためにも、一人ひとりの志向性・適性を踏まえ、ローテーションを活性化させていきます。

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