RESEARCH & DEVELOPMENT
ノリタケのテクノロジー
研究開発事例
200℃以上の耐熱性・柔軟性を両立した 導電性樹脂銀ペースト
開発背景
⾃動⾞の EV 化や再生可能エネルギーの活用など今後ますます進化する社会には、次世代パワー半導体の普及が期待されています。次世代パワー半導体は従来よりも⾼効率で、省エネにも役⽴ちますが、従来よりも⾼温(200℃以上)になる性質があります。しかし、その周辺部品(MLCC やインダクタなど)の電極の⼀般的な耐熱温度は 約150℃であり、次世代パワー半導体に求められる耐熱性がありません。また、使⽤する場所、形状の⾃由度を⾼めるため、衝撃や振動に強い柔軟性も求められていました。ノリタケでは200℃以上という⾼温に対応しながら柔軟性を持った導電性樹脂銀ペーストを開発しました。
製品の特長
①高い耐熱性
Air雰囲気下で200℃、1000時間曝露しても、樹脂の重量減少がほとんど見られません。それに比べて従来の樹脂だと60%以上も重量減少してしまいます。次世代パワー半導体に対応した耐熱性をもつ電極材料として使用することができると考えています。
②高い柔軟性
耐熱性試験後のペースト膜を折り曲げても割れることがない柔軟な導電性樹脂銀ペーストです。一般的に熱硬化樹脂の耐熱性を向上させると、柔軟性を失い硬くなってしまいます。硬い電極を車載部品などへ使用すると、振動などが原因で電極や部品にクラックが入ってしまい、故障の原因となってしまいます。開発した導電性樹脂銀ペーストは耐熱性と柔軟性の両立を達成しました。
③安定した導電性
Air雰囲気下で200℃、1000時間曝露しても、導電性は安定しています。高温にさらされる部品やプリント基板などの電極配線としても使用することができます。
想定用途例
・MLCC、インダクタの外部電極
・圧電アクチュエーター用外部電極
・各種デバイスなどの放熱接着剤