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2020年11月19日
株式会社ノリタケカンパニーリミテド
連続的に、徐々に濃度を高める画期的な混合装置の開発
株式会社ノリタケカンパニーリミテド(代表取締役社長:加藤 博、以下 ノリタケ)は、日揮株式会社(代表取締役社長執行役員:山田 昇司、以下 日揮)と共同で、液体を徐々に濃度を高めながら連続的に混合する装置を開発し、プロモーションを開始することをお知らせします。
市場環境
液体を混合する製造工程の中には、さまざまな方法がありますが、一方の液体を少しずつ加えて徐々に濃度を高めながら混合する方法が好ましい工程もあります。例えば、製薬業界では、医薬品の有効成分の結晶を作るための工程で採用されています。しかし、連続製造法※1が確立されておらず、バッチ製造法※2が一般的でした。これまでは、連続製造法では結晶サイズの制御が困難であり、送液管が詰まるなどの課題もあるため、実現が難しいとされていました。しかし、医薬品を高品質かつ低コストで製造するため、連続製造法への転換が求められています。
※1 連続製造法:原料を連続して工程に投入し、継続して製品を取り出す製造法。
※2 バッチ製造法:原料を製造設備に投入し、一つの工程が完了する毎に全ての製品を取り出し、次の工程に進む製造法。
開発概要
「徐々に濃度を高めながら混合」という操作を連続化するために、細孔径が数ミクロン単位で均一に制御されたノリタケの多孔質セラミックスが着目されました。2019年6月から日揮と共同で研究開発を進めた結果、バッフル(邪魔板)を取り付けた多孔質セラミックスの筒を管内に設置して一方の液体を細孔全体から染み出させ、徐々に濃度を高めながら連続的に混合することができる画期的な装置の開発に成功し、商品化の最終段階に入りました。
製品の特長
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①徐々に濃度を高める混合工程を連続化
細孔を通じてセラミックス管全体から液体を染み出させ、管路の中で濃度を徐々に上昇させることを実現。②少量での運転が可能
研究・試作に適する少量混合に対応した設計。③新たな連続混合技術
多孔質セラミックスと複数のバッフルを組合せた新しい混合技術。
今後、両社で2021年前半の販売を目途に最終商品化に向けた作業を進めるとともに、積極的にプロモーション活動を行っていきます。
プロトタイプの展示情報
展 示 会: インターフェックスジャパン2020
開催期間: 2020年11月25日~27日
会場: 幕張メッセ
ブース: 6ホール、22-62(日揮株式会社)
日揮株式会社の概要
創立 |
2000年(平成12年)4月19日 |
本社所在地 |
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 |
従業員(グループ全体) |
7,607名 |
事業内容 |
国内における各種プラント・施設のEPC事業および保全事業 |
事務所 |
神奈川、千葉、茨城、三重、大阪、岡山、山口、大分 |
ウェブサイト |
https://www.jgc.com/jp/about/related-companies/domestic.html |
参考資料
11月19日 日揮株式会社 プレスリリース
「連続貧溶媒晶析を可能とする画期的な層流混合装置の商品化が最終段階へ 原薬・中間体の連続製造に向け大きく前進」
ノリタケの多孔質セラミックス
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ノリタケでは、多孔質セラミックスの気孔径分布や比表面積を高度にコントロールする技術を確立しています。
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使用例1:ファインバブル発生器
多孔質セラミックスを応用した微細孔方式のファインバブル発生器です。細孔径の均一な管状の多孔質セラミックスより気体を吹き出し微細気泡を発生させます。
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使用例2:触媒担体
気孔径分布や比表面積を高度にコントロールすることで、石油化学工業分野などで活躍する各種の触媒担体として使用されています。
商品に関するお問い合わせ先
ノリタケ株式会社 エンジニアリング事業部 流体テクノ部
TEL:052-561-9872 FAX:052-561-7149 E-Mail: mixing@noritake.com
本件に関するお問い合わせ先
ノリタケ株式会社 総務部 広報課
TEL:052-561-7110 FAX:052-562-9721 E-mail:koho@noritake.com