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ツルーイング・ドレッシング

ツルーイングとドレッシング

ツルーイングとドレッシング

ツルーイングとドレッシングは研削工具を上手に使うために欠かせない作業です。 ツルーイング(形直し)とは取り付けられた砥石の使用面の振れを取り除いたり、加工物の形状に合わせて所定の形状に仕上げる作業のことを言います。また、ドレッシング(目直し)とは形直し後に砥粒の突き出し量を調整したり、鈍化した砥粒の切れ刃を創生する作業のことをいいます。 研削工具に適したツルーイング・ドレッシング方法を採用し、加工物の加工精度(寸法精度、形状精度、仕上面粗さ、等)、加工能率に合ったドレッシング条件を選択することが重要です。

研削工具別ドレッサ適用表
T:ツルーイング D:ドレッシング / ◎:使う 〇:使うことができる △:使うこともある

ドレッサ種類

ドレッシング方式 

ダイヤモンドホイール CBNホイール 一般砥石
ビトリファイド レジノイド メタル ビトリファイド レジノイド メタル
T D T D T D T D T D T D T,D共通
単石                        
多石                        
インプリ                        
ビトダイヤホイール                  
レジダイヤホイール                        
メタルダイヤホイール                  
電鋳ダイヤホイール                    
ダイヤブロック                      
砥石ブロック研削    〇      
砥石ブレーキ研削      
軟鋼研削                  
砥粒ラッピング      
砥粒噴射                  
電極放電加工                  
電解加工                   

ドレッサの種類

■ LL単石ドレッサ
LL単石ドレッサ

数ミリ長の角柱状の人造ダイヤモンドを使用したドレッサです。粗研削から精密研削まで、幅広い用途使用できます。

■ LLポイントドレッサ
LLポイントドレッサ

ダイヤモンドの先端を円錐形(30°~120°)に研磨しシャンクにマウントしたものです。 精密研削、内面研削、成形研削に使用します。

■ フォーミングドレッサ
フォーミングドレッサ

ダイヤモンド先端を角度25°~70°、R0.1~0.5の屋根形、楔形に研磨してあるものです。 砥石を所要の形状に成形する精密総形研削、アンギュラー研削、段付き研削用砥石に使用します。

■ LLニードドレッサ
LLニードドレッサ

角柱状のロングタイプ人造ダイヤモンドを複数個配列したドレッサです。 アンギュラー研削、センタレス研削などの砥石に使用します。

■ インプリドレッサ
インプリドレッサ

#50~#400のダイヤモンド砥粒をボンド中に埋め込んだものです。 精密研削用砥石に使用します。CBN ホイールのツルーイングにも使用できますが、後でドレッシングを必要とします。

■ グリッドドレッサ
グリッドドレッサ

#16~#30のダイヤモンド砥粒をボンド中に埋め込んだものです。 センタレス研削や円筒・平面研削の大形砥石に使用します。

■ ロータリードレッサ
ロータリードレッサ

回転式のホイールの外周部にダイヤモンドを埋めたタイプのドレッサです。 LLタイプ、メタルタイプ、電柱タイプなどがあります。

ドレッサの基本

取り付け
ドレッサの基本

研削砥石の回転方向とドレッサの送り方向に対し、それぞれ10~15°の取付角をつけてドレッサの先端が当たるように取付けます。

ドレッサの基本

ドレッサの送り速度、切込み量、取付角が仕上面粗さに及ぼす影響をグラフにしました。 取付角に関しては角度が大きくなるにしたがって仕上面粗さが細かくなります。

送り速度

送り速度を早くすると切れ刃間隔が広くなって、砥石の切れ味は良くなりますが加工精度は悪くなります。逆に速度を遅くすると加工精度は良くなりますが、目詰まりし易くなり切れ味は悪くなります。 そこで、ドレッサの送り速度は砥粒一粒の中をドレッサが2~3回通ることを一つの目安とし、次の式により求めます。

送り速度

F=(d×N)/2.5

F:ドレッサ送り速度(mm/min.)
d:砥粒の平均粒径(mm)
N:砥石回転数(1/min.)

粒 度 F46 F54 F60 F80 F100 F120 F150 
平均粒径 0.4 0.3 0.25 0.18

0.13

0.10 0.07
切込み量と総切込み量

● 研削性能に対する切込量の影響は送り速度の場合ほど大きくはありませんが、砥粒の破砕状態が変わりますので、仕上面粗さに関係してきます。
精密研削では砥粒を微少破砕させるため、半径5μm 前後の小さな切込量とします。
一般研削では、砥粒を適度に破砕させるため、半径10~30μm程度の切込量とします。
粗研削では半径40μm程度の切込量にすることでボンドブリッジも一部破壊され、砥粒間隔が広くなり、大きな削除量が得られます。

● 一方、総切込み量は砥粒の損耗や目詰まりの程度により変わります。総切込み量不足は、性能が回復しませんし、過剰な総切込み量は、砥粒の突出し量の不足を招く場合もあります。
一般砥粒の場合で粒径の10~30%が一つの目安となりますが、所定の性能(仕上面粗さ、ドレス間隔等)の回復を確認されることをお勧めします。

ダイヤモンドの大きさ

ダイヤモンドの大きさは砥石の外径、厚さ、砥粒の種類、粒度、結合剤、結合度等により選択します。

ダイヤモンドの大きさ 小さめ 矢印 大きめ
砥粒の種類 A WA SA CX GC
粒 度 細粒 矢印 粗粒
結合剤 V 矢印 B
結合度 矢印
切込み量 矢印
ドレッシングに起因するトラブルとその対応

ドレッシングに問題があると、研削トラブルに直結します。使用する砥石の性能を十分に引き出すためには、正しいドレッシングを施すことが重要です。
研削時の不具合発生に対応したドレッシング作業に関するチェック項目を下記に示します。

現象 対応
加工面の不規則なビビリ

・先端が平らになったドレッサは取替える

・ドレッサの取付けが緩んでいないか確認する

・ドレッサのシャンクが過度に突出ていないか確認する

加工面のスクラッチ

・ダイヤモンドが割れていないか確認する

・ドレッサ取付け(角度、固定)を確認する

・ドレッサ送りと切込みを小さくする

・ドレッシングの最後にゼロカットを数回行う

・ドレッシングは必ず砥石端から行う

・砥石端面にRを付ける

加工面の送りマーク ・ドレッサ送りと切込みを小さくする
加工面の不規則なキズ  ・先端が平らになったドレッサは取替える 
砥石摩耗が大きい ・ドレッサ切込みを小さく、送りを大きくする 
砥石目詰まり

・先端が平らになったドレッサは取替える

・ドレッサの送りを大きくする

・ドレス後の砥石面をきれいにする

加工物の真円度不良

・砥石使用面の目つぶれ、目詰まりを確認する 

・ドレッシング位置と研削位置を一致させる

加工物のテーパ ・ドレッシング位置と研削位置を一致させる 
加工物の焼け・割れ

・ドレッサ送りを大きくする

・ドレッシング量(総切込み量)を多くする 

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