開催日:2024年8月14日(水) ~ 2024年8月18日(日)
手作業による精緻な技巧を探究し続けている4名の展覧会です。お楽しみいただけると幸いです。
【陶器】上村慶次郎
生き物や植物って「進化したい!」って気持ちを次の世代に繋げて、ゆっくりゆっくり変化して行くところが凄いなぁ~と思うし、シーラカンスのように「もう、これで満足!」と進化を止める潔さも良いもんだなぁ~と思います。
自分はそれを陶芸で表現したいと挑戦を続けています。自分への課題がどんどん出て来て、終わりがないところが面白いです。どこまで進化できるかな?と思いながら制作する日々です。
【木版画】酒井政保
私の木版画は木口(コグチ)木版と言い、木を輪切りにした面に彫ります。硬い木でないと形が崩れますので、ツゲなどの硬い木で作った版木に、銅版画で使用する”ビュラン”という彫刻刀で彫ります。細かい版画に昔から憧れていましたが身近に作家がおらず、見て楽しんでいるだけでした。67歳の時、ある人から道具・材料など一式譲っていただき、木口木版を作り始めました。
硬い木に絵を彫るのはなかなか難しいですが楽しみもあります。じっくり見ていただきたいです。
【針金アート】橋寛憲
主にステンレスの針金を使って、生き物をモチーフに制作しています。一筆書きの要領で前から順に作っていきます。針金と針金の接点はハンダ付けして固定しています。
途中でつなごうと思うと、右手で針金を持ち、左手でもう一本の針金を持ち…そうするとハンダごてを持つ手が足りない。一本で作ればこの問題は解消です。
こんな風に針金に特化して、工夫しながら作ってきました。針金で自分の好きな生き物の「生きている感じ」を表現できたらと思っています。
【ペン画】松野ちり子
私が使用する画材は、金属のペン先にインクを付けて描く「ツケペン」です。非常に細かい表現が可能で、力の加減によって線に抑揚をつけることもできるため、線のみでさまざまな質感を描く事ができます。
実在の動物をモチーフにすることが多いのですが、写実というよりは私自身が「美しい・愛しい・理想的である」と感じる線を選んでいます。
理想とする表現のために厳選された線と、その線が形作る作品たちを心ゆくまでお楽しみください。