開催日:2024年10月22日(火) ~ 2024年10月27日(日)
終戦後、仏壇のローソクを溶かし、野草を煮出して染液をつくり、ローケツ染めのネクタイを父にプレゼントした義母の後を継ぎました。ローケツ技法と天然染料の深い色に惹かれたのかもしれません。絹、木綿、麻、染の素材は多岐にわたるのですが、今回は山形県の山峡で弥生時代から製法を変えず伝えられた「科織布(しなおりふ)」を紹介したいと思います。
科(シナ)の木の皮をはぎ裂き、晒し、糸にした物を織る。一年かけてやっと完成するこの布は、芭蕉布等と共に国の民族資料に指定されています。この古代布はまた、天然染料と最も相性が良く、相乗効果があると思います。
近頃では扱いにくい事や経済面から草木染料は敬遠されがちですが、この力強い科織布に染めることによって化学染料にはない深味のある新しい作品をご覧いただければと思います。
髙城鋭子 略歴
1997年 日本新工芸展 初入選後毎年入選
1998年 日展 初出品 初入選 以後17回入選
2000年 日本新工芸展 奨励賞
2010年 日本新工芸東海展 松坂屋賞
2011年 日展会友
2024年 日本新工芸東海展 中部電力賞
現 日展会友
日本新工芸家連盟会員
京都虹彩会会員
個展、グループ展多数